○新潟県盛土等の規制に関する条例
令和4年3月29日
新潟県条例第17号
新潟県盛土等の規制に関する条例をここに公布する。
新潟県盛土等の規制に関する条例
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 盛土等の許可等(第7条―第23条)
第3章 土砂等搬入禁止区域(第24条―第26条)
第4章 雑則(第27条―第31条)
第5章 罰則(第32条―第37条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、盛土等について必要な規制を行うことにより、土砂等の崩落等による災害の発生の防止を図り、もって県民の安全の確保に資することを目的とする。
(1) 土砂等 土砂及び土砂に混入し、又は付着している物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物を除く。)をいう。
(2) 盛土等 盛土、土地の埋立てその他の土地への土砂等の堆積を行う行為をいう。
(3) 崩落等 崩落、飛散及び流出をいう。
(4) 盛土等区域 盛土等の用に供する土地の区域をいい、当該盛土等のために設けられる通路、排水施設その他の施設がある場合にあっては、これらの施設がある土地の区域を含む。
(5) 土砂等を発生させる者 建設工事(建設業法(昭和24年法律第100号)第2条第1項に規定する建設工事をいう。以下同じ。)の請負人であって、その建設工事に伴って土砂等を発生させるものをいう。
(盛土等を行う者の責務)
第3条 盛土等を行う者は、盛土等を行うに当たっては、災害の発生を防止するために必要な措置を講じなければならない。
(土地の所有者の責務)
第4条 土地の所有者は、その所有する土地において不適正な盛土等が行われないよう当該土地を適正に管理するよう努めなければならない。
(土砂等を発生させる者の責務)
第5条 土砂等を発生させる者は、建設工事に伴う土砂等の発生を抑制するとともに、発生させた土砂等の有効な利用の促進に努めなければならない。
2 土砂等を発生させる者は、発生させた土砂等による盛土等が行われる場合にあっては、当該土砂等による盛土等が適正に行われるよう盛土等を行う者に協力しなければならない。
(県の責務)
第6条 県は、市町村と連携して、土砂等の崩落等による災害の発生の防止を図るために必要な施策を推進するものとする。
2 県は、市町村が盛土等に関する施策を実施しようとする場合には、情報の提供、技術的な助言その他の必要な協力を行うものとする。
第2章 盛土等の許可等
(盛土等の許可)
第7条 盛土等を行おうとする者は、盛土等区域ごとに、知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる盛土等については、この限りでない。
(1) 盛土等を行う土地の面積が3,000平方メートル未満である盛土等(当該盛土等を行う土地を含む一団の土地の面積が3,000平方メートル以上となるものを除く。)
(2) 国、地方公共団体その他規則で定める者が発注し、又は自ら行う盛土等
(3) 法令又は他の条例の規定に基づく行政庁の許可、認可その他の処分による盛土等であって規則で定めるもの
(4) 非常災害のために必要な応急措置として行う盛土等
(5) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める盛土等
(周辺の住民に対する周知)
第9条 申請者は、規則で定めるところにより、第7条の許可の申請に係る盛土等区域の周辺の住民に対し、当該申請に係る盛土等の施行に関する計画の概要を周知するよう努めなければならない。
(許可の申請の手続)
第10条 申請者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 盛土等の目的
(3) 盛土等区域の位置
(4) 盛土等を行う土地の面積
(5) 盛土等に使用する土砂等の量
(6) 盛土等を行う期間
(7) 盛土等の施行を管理する者(以下「管理責任者」という。)の氏名
(8) 盛土等の用に供する施設の設置、土砂等の搬入その他盛土等の施行に関する計画
(9) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 前項の規定にかかわらず、盛土等が当該盛土等に係る盛土等区域外への搬出を目的として行われるものである場合には、申請者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
(2) 年間の盛土等に使用する土砂等の搬入及び搬出の予定量
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める事項
(1) 申請者が次のいずれにも該当しないこと。
イ 第21条の規定により必要な措置を講ずべき旨の命令を受け、当該措置を完了していない者
ウ 第22条第1項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から3年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る新潟県行政手続条例(平成7年新潟県条例第59号)第15条の規定による通知があった日前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下同じ。)であった者で当該取消しの日から3年を経過しないものを含む。)
エ 第22条第1項の規定により盛土等の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
オ 盛土等の施行に関し不正な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として規則で定めるもの
カ 新潟県暴力団排除条例(平成23年新潟県条例第23号)第2条第3号に規定する暴力団員等
(2) 申請者が、申請に係る盛土等を的確に、かつ、継続して行うに足りる資力を有すること。
(3) 第8条第1項の同意を得ていること。
(4) 前条第1項第8号の計画で定める盛土等を行う土地及び土砂等の堆積の形状並びに盛土等に供する施設の構造が、土砂等の崩落等による災害の発生のおそれがないものとして規則で定める基準を満たしていること。
2 変更許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 変更の内容
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 許可等を受けた者は、前項の規定により条件が付されたときは、その内容を当該許可等に係る盛土等区域の土地の所有者に通知しなければならない。
(管理責任者の設置)
第14条 第7条の許可を受けた者は、当該許可に係る盛土等区域ごとに、管理責任者を置かなければならない。
2 第7条の許可を受けた者は、管理責任者に、当該許可に係る盛土等による災害の発生の防止のために必要な施行の管理をさせなければならない。
(標識の掲示等)
第15条 第7条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る盛土等が行われている間、当該許可に係る盛土等区域の公衆の見やすい場所に、氏名又は名称その他規則で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
2 第7条の許可を受けた者は、当該許可に係る盛土等を行う土地について、その境界を明らかにするため、境界標を設けなければならない。
(土砂等の搬入の届出)
第16条 第7条の許可を受けた者は、当該許可に係る盛土等区域に土砂等を搬入しようとするときは、規則で定めるところにより、当該土砂等の採取場所ごとに、当該土砂等が当該採取場所から採取された土砂等であることを証するために必要な書面を添付して知事に届け出なければならない。
2 第7条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る盛土等に使用した土砂等の量を知事に報告しなければならない。
(盛土等の完了の届出等)
第18条 第7条の許可を受けた者は、当該許可に係る盛土等を完了し、又は廃止したときは、その日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
(譲受け許可)
第19条 第7条の許可を受けた者から当該許可に係る事業を譲り受けようとする者は、盛土等区域ごとに、知事の許可(以下「譲受け許可」という。)を受けなければならない。
2 譲受け許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 第7条の許可を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(3) 譲り受けようとする事業の許可年月日及び許可番号
(4) 前3号に掲げるもののほか、規則で定める事項
4 譲受け許可を受けて事業を譲り受けた者は、当該事業に係る第7条の許可を受けた者の地位を承継する。
(地位の承継)
第20条 第7条の許可を受けた者について、相続、合併又は分割(当該許可に係る事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により当該許可に係る事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該許可に係る事業を承継した法人は、当該許可を受けた者の地位を承継する。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 第7条の許可を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(3) 承継した事業の許可年月日及び許可番号
(4) 前3号に掲げるもののほか、規則で定める事項
(盛土等を行う者に対する命令)
第21条 知事は、盛土等に使用された土砂等の崩落等による災害の発生を防止するため緊急の必要があると認めるときは、当該盛土等に係る第7条の許可を受けた者に対し、相当の期限を定めて、土砂等の崩落等による災害の発生を防止するために必要な措置を講ずべきことを命じ、又は相当の期間を定めて盛土等の停止を命ずることができる。
(1) 偽りその他不正の手段により第7条の許可、変更許可又は譲受け許可を受けたとき。
(4) 第7条の許可を受けた日から起算して3年を経過する日までに当該許可に係る盛土等に着手しないとき。
(5) 正当な理由なく1年以上引き続き第7条の許可に係る盛土等を行わないとき。
(6) 第12条第1項の規定により変更許可を受けなければならない事項を変更許可を受けないで変更したとき。
(7) 第13条第1項の規定により付された条件に違反したとき。
(9) 前条及びこの項の規定による命令に違反したとき。
第3章 土砂等搬入禁止区域
(土砂等搬入禁止区域の指定)
第24条 知事は、盛土等区域において盛土等を継続することにより、人の生命、身体又は財産を害するおそれがあると認められる場合であって、この条例の目的を達成するため必要があると認めるときは、当該盛土等区域を、6月を超えない範囲内で期間を定めて、土砂等の搬入を禁止する区域(以下「土砂等搬入禁止区域」という。)として指定することができる。
2 知事は、前項の規定による指定をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
5 知事は、第1項の規定による指定の準備をするため必要がある場合においては、その職員に、他人の占有する土地に立ち入り、測量させ、又は調査させることができる。
6 知事は、第1項の規定による指定をしたときは、その職員に、他人の占有する土地に立ち入り、土砂等搬入禁止区域であることを明示する措置を講じさせることができる。
7 前2項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(土砂等の搬入の禁止)
第25条 何人も、土砂等搬入禁止区域に土砂等を搬入してはならない。ただし、災害の発生を防止するための必要な措置として知事が認める場合は、この限りでない。
(土砂等搬入禁止区域の解除)
第26条 知事は、土砂等搬入禁止区域の指定の事由がなくなったと認めるときは、当該土砂等搬入禁止区域の指定を解除するものとする。
第4章 雑則
(報告の徴収等)
第27条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、盛土等を行う者、土砂等を発生させる者、盛土等区域の土地の所有者その他の関係者に対し、当該盛土等に係る施行の状況等について、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
(立入検査等)
第28条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、盛土等を行う者の事務所、事業所その他盛土等に関係のある場所に立ち入り、土砂等管理台帳その他の物件を検査させ、試験の用に供するのに必要な限度において土砂等を無償で収去させ、又は関係者に質問させることができる。
3 第1項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(公表)
第29条 知事は、この条例の規定に基づく命令又は許可の取消し(以下この項において「命令等」という。)を行ったときは、当該命令等を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)並びに当該命令等の内容を公表することができる。
2 知事は、第25条の規定に違反して土砂等搬入禁止区域に土砂等を搬入した者の氏名その他規則で定める事項を公表することができる。
3 知事は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ、当該土砂等を搬入した者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。
(市町村の条例との関係)
第30条 盛土等に関し、市町村の条例によりこの条例の規定に基づく災害の発生の防止と同等以上の災害の発生の防止の効果が図られるものと知事が認めるときは、市町村の区域における盛土等に係る災害の発生の防止については、規則で定めるところにより、この条例の規定を適用しない。
(委任)
第31条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 罰則
(罰則)
第32条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(2) 偽りその他不正の手段により、第7条の許可、変更許可又は譲受け許可を受けた者
第33条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(2) 第22条第1項の規定による命令に違反した者
第34条 第25条の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第35条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
(2) 第16条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(4) 第17条第2項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(5) 第27条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第36条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和4年7月1日から施行する。