○新潟県水源地域の保全に関する条例

平成25年12月27日

新潟県条例第49号

新潟県水源地域の保全に関する条例をここに公布する。

新潟県水源地域の保全に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、水源地域の保全に関し、基本理念を定め、並びに県、県民、土地所有者等及び事業者の責務を明らかにするとともに、水源地域における土地所有権等の移転等について事前届出制度を設けること等により、森林の有する水源かん養機能の維持増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「水源地域」とは、第9条第2項の規定により指定された区域をいう。

2 この条例において「土地所有権等」とは、水源地域内の土地の所有権若しくは地上権、地役権、質権、賃借権、使用貸借による権利その他の使用及び収益を目的とする権利又はこれらの権利の取得を目的とする権利をいう。

3 この条例において「土地所有者等」とは、土地所有権等を有する者をいう。

(基本理念)

第3条 水源地域の保全は、森林の有する水源涵養機能が水資源の供給に重要な役割を果たしていること並びに水資源が県民生活及び地域経済を支えていることに鑑み、県、県民、土地所有者等、事業者及び市町村の相互の連携及び協力の下に、水源涵養機能の維持及び増進に資するよう行われなければならない。

(県の責務)

第4条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、水源地域の保全に関する施策を効果的に推進するものとする。

(県民の責務)

第5条 県民は、基本理念にのっとり、水源地域の保全に対する理解を深め、県が実施する水源地域の保全に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(土地所有者等及び事業者の責務)

第6条 土地所有者等及び事業者は、基本理念にのっとり、水源地域の保全に支障を及ぼさないように土地を利用するとともに、県が実施する水源地域の保全に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市町村との連携等)

第7条 県は、市町村との連携により水源地域の保全に関する施策を推進するとともに、水源地域の保全に関して必要があると認めるときは、市町村に対して必要な協力を要請するものとする。

(情報の提供等)

第8条 県は、水源地域の保全に対する県民等の理解が深まり、水源地域の保全に関する施策への協力が促進されるよう、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

(水源地域の指定)

第9条 知事は、水源地域の指定に関する基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。

2 知事は、基本指針に沿って、森林法(昭和26年法律第249号)第5条第1項の規定によりたてられた地域森林計画の対象となっている同項に規定する民有林のうち、水源涵養機能の維持増進を図ることが必要な区域を水源地域として指定することができる。

3 知事は、水源地域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴かなければならない。

4 知事は、水源地域を指定しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を公告し、その案を当該公告の日から2週間、公衆の縦覧に供しなければならない。

5 前項の規定による公告があったときは、当該公告に係る区域の土地所有者等及び利害関係人は、同項に規定する縦覧期間満了の日までに、規則で定めるところにより、縦覧に供された案について、知事に意見書を提出することができる。

6 知事は、前項の規定により、縦覧に供された案について異議がある旨の意見書の提出があったときは、規則で定めるところにより、当該意見書を提出した者の意見を聴取するものとする。

7 知事は、水源地域の指定をするときは、その旨及びその区域を告示するとともに、関係市町村長に通知しなければならない。

8 水源地域の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。

9 第3項から前項までの規定は、水源地域の指定の解除及びその区域の変更について準用する。

(土地所有権等の移転等の届出)

第10条 土地所有者等は、当該土地所有権等の移転又は設定をする契約(予約を含む。以下「土地売買等の契約」という。)を締結しようとするときは、当該土地売買等の契約を締結しようとする日の30日前までに、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。

(1) 土地売買等の契約の当事者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 土地売買等の契約に係る土地の所在及び面積

(3) 土地売買等の契約に係る土地所有権等の種別及び内容

(4) 土地売買等の契約を締結しようとする年月日

(5) 土地売買等の契約に係る土地所有権等の移転又は設定の後における土地の利用目的

(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合は、適用しない。

(1) 土地売買等の契約の当事者の一方又は双方が国又は地方公共団体である場合

(2) 非常災害に際し必要な応急措置を講ずるために行われる場合

(3) 前2号に掲げる場合のほか、規則で定める場合

3 土地所有者等は、第1項の規定による届出をした後、土地売買等の契約を締結する日までの間において、同項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。

(市町村長への通知等)

第11条 知事は、前条第1項又は第3項の規定による届出があったときは、速やかに、その内容を当該届出に係る土地が所在する市町村の長に通知するものとする。

2 知事は、必要があると認めるときは、前条第1項又は第3項の規定による届出に係る土地の利用に関し、当該土地が所在する市町村の長に意見を求めることができる。

(報告の徴収及び立入調査等)

第12条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、第10条第1項又は第3項の規定による届出をした者(以下「届出者」という。)に対し、報告を求めることができる。

2 知事は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に第10条第1項又は第3項の規定による届出に係る土地に立ち入り、当該土地の利用が森林の有する水源涵養機能の維持増進に及ぼす影響を調査させ、又は関係者に質問させることができる。

3 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(助言)

第13条 知事は、届出者に対し、当該届出に係る土地の利用について、森林の有する水源涵養機能の維持増進を図るために必要な助言を行うことができる。

2 届出者は、前項の助言を受けたときは、当該届出に係る土地所有権等の移転又は設定を受けようとする者に当該助言の内容を伝達するものとする。

(勧告)

第14条 知事は、土地所有者等又は届出者が次の各号のいずれかに該当する場合において、森林の有する水源涵養機能の維持増進を図るために必要があると認めるときは、その者に対し、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(1) 第10条第1項又は第3項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

(2) 第12条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

(3) 第12条第2項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(公表)

第15条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。

2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告に従わない者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(罰則)

第16条 第10条第1項又は第3項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、5万円以下の過料に処する。

(規則への委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第10条から第16条までの規定は、平成26年7月1日から施行する。

(経過措置)

2 第10条の規定は、前項ただし書に規定する規定の施行の日から起算して30日を経過した日以後に土地売買等の契約を締結しようとする土地所有者等について適用する。

新潟県水源地域の保全に関する条例

平成25年12月27日 条例第49号

(平成26年7月1日施行)